「中医学」とは・・・

数千年も前からの長い歴史によって裏付けられた、生理学・病理学・薬理学などの古代哲学の影響を受けた理論や臨床経験をもとに成り立つ中国の伝統医学です。

特徴は、「病気と人をみる」ということ。人間を内蔵や臓器、器官、血液など部位の集まりとしてみるのではなく、それぞれが互いに関係し補い合うまとまりをもった個体であると考え、同じ病名であっても、一人ひとりの異なる体質・発生原因や経過を分析し、一人ひとりの体にあわせた治療を行います。そして何より病気になる前の『未病』(わずかな不調があり、原因が特定できない段階)から前に進ませないという予防医学でもあるという点です。

また、体は「気・血・津液」の3つで構成されていると考えるのが中医学です。この3つのどれもが過不足なく、滞ることなく体内をめぐっていることで健康が保たれるのです。また、この3つと大きく関係しているのが、『五臓六腑』というわけです。1つの不足が五臓六腑の不調へとつながり、五臓六腑を改善すれば不足が補われたりするのです。

このように、体はすべてが互いに助け合い補い合い成り立ち、つながっているのです。

 ★「日本漢方」との違いは・・・

日本漢方は、中国伝統医学に基づき独自で発展したもので、症状と処方が一対になっているのが大きな特徴です。病名に対して使う漢方が決まっているのです。

「中医学の治療」について・・・

まず体全体を観察し情報を集めていきます。具体的には、四診法で行います。

四診法は、

  1. 見る=視覚により顔色、体表、精神状態などを観察します。中でも舌を観察するのが中医学の特徴。舌は体の状態をよく表してくれます。
  2. 問う=現在の自覚症状や生活習慣、病気の状況や治療経過など尋ねます。
  3. 聴く=呼吸や声を聴きます。
  4. 触る=体表の一部に触れて乾潤や温度を観察したり、脈をとったりします。

これらの方法により得られた情報をもとに、整理・分析しどこをケアすればいいのか考えていきます。