女性の健康は生理の正しい理解から
女性の生理は月経出血の開始日を第1日とし、25~35日(平均28日前後)かけて、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4期を1周期として巡回します。
中医学の周期療法はこの4期に合わせて、各期間毎に漢方薬を使い分ける中国漢方の新しい考え方です。西洋医学の生理的メカニズムに陰陽の理論を組み合わせた、中医と西医が結合したものです。
「月経期は子宮内膜の再生のため」
月経期は女性の生理周期における子宮内膜が再生する過程の前段階です。
卵巣で原始卵胞が発育し始めるのと同様に月経期が始まります。
新しい1個の卵子を迎えるための子宮の新しい環境作り、基盤整備の過程となり順調に進むように配慮することが必要です。
月経期には子宮内膜の血管が収縮し血液の供給が止められることで、その役割を終えたほとんどの粘膜層ははがれ落ち、その中に残されていた血液とともに溶けた状態になり排出されます。
ある程度の量の組織と血液が失われることになり、全身の栄養状態と体力は低下します。
日常生活の配慮として月経期には、心身の負担になるような激しい労働やスポーツなども控える方がよいです。
強い寒さや冷えに体や手足を直接さらすことや、冷たい食べ物や飲み物を控えることも必要です。
膣内は普段は強い酸性液で満たされており、外部の細菌やウィルスを防いでいます。
月経期は膣内が酸性でなくなることで、細菌やウィルスの子宮頸管内への侵入は容易になります。
この時期は、子宮内膜は基底層がむき出しになるなど、女性器全体の防衛体制が手薄となります。
月経血中の白血球がその役割を補っていますが、免疫系全体に負担がかかる期間なので、からだを清潔にし、ストレス、過労や暴飲暴食などを避け、節制に心がけることで、病原体の進入を招かないようにできます。