4つの周期分け『月経期、卵胞期、排卵期、黄体期』
月経になると、脳の視床下部は脳下垂体に卵胞刺激ホルモンを分泌させます。
この作用により、卵巣内では数個の原始卵胞が発育し始め、月経が終わる頃には1個の卵胞のみが成長して卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し始めます。
卵胞ホルモンは血液によって卵巣から子宮に運ばれ、月経ではがれ落ちた子宮内膜の再生・増殖を促進します。これが卵胞期で1週間~10日間続きます。
卵胞が完全に成熟すると、分泌される卵胞ホルモンは急激に増加します。
脳の視床下部は血液の流れによってこのことを察知し、脳下垂体に大量の黄体化ホルモンを分泌させます。
この作用により、卵胞は卵子を排卵して黄体に変わります。 黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜にある分泌線の働きを活発にして、栄養素に富んだ分泌液(子宮ミルク)を蓄え、受精卵の着床・養育に備える態勢をとらせます。(これが黄体期で2週間です。)
脳の視床下部は日内リズムや感情変化に合わせ、自律神経を通じて内蔵機能の調節もしていますので、不規則な生活や感情を無理に抑えたり、高ぶらせたりすることは、ホルモン分泌に悪い影響を与えます。
中国漢方では、卵胞期に重点的に陰(血液と栄養素・水分などの物質面)を補う滋陰薬を用います。
滋陰薬は月経にともなう血液不足の回復を早め、抹消血管に流れる血液の量を増やして、栄養素の不足を防ぎ、卵胞の発育と子宮内膜の増殖をささえ、次にくる排卵期と黄体期に備え、ホルモン分泌のためにも良好な条件を備えます。
また、精神的ストレスや冷えによる自律神経の失調、子宮筋肉の無用な収縮、血行障害にともなう月経不順、血行障害にともなう月経不順・月経痛を起こしやすい体質を改善します。