不妊原因を女性だけが悩んでいるケースが少なくありません。
パートナーである男性にもこの事を真剣に考えてもらい、二人が一緒になって赤ちゃんの誕生に取り組んでもらいたいと思います。
不妊原因は、女性にあるとは限らず、男性側の原因も少なくありません。
環境ホルモン、化学物質や紫外線、ストレスや食生活等が原因となり、男性の精子数の減少、機能の衰えにつながると言われています。
環境ホルモンは、あるひとつの物質の名前ではなく、生物のホルモンの働きを狂わせてしまう物質の総称です。
環境ホルモンは、体内の正常な働きをするホルモンの働きを壊すことで、様々な異常を引き起こします。
原因となっているのは、主に化学物質です。殺菌剤・防腐剤・殺虫剤・農薬・食品添加物・ダイオキシンなど、約70種もの化学物質があげられています。環境汚染された状態の川や海などからも有害物質が検出されています。
女性側に原因がある場合、その原因を探し出し、治療効果を知る為に、基礎体温表を活用します。
必要な漢方薬を選択する場合の参考となります。
妊娠しやすい体の状態にする為には、なによりも女性は子宮の温度を一定に保つことです。
卵巣、子宮の血液流れがよくなる事で質の高い卵子ができ、子宮内膜は柔らかくなります。
このために普段の食べ物で気をつけたいのは、生ものや冷たいものを少なくすること、服装では短いスカートによる足腰の冷えを避けるように注意が必要です。
冷えることで、体の血液が冷えて瘀血(おけつ)という状態になり、さまざまな体の不調へとつながります。
瘀血(おけつ)は血液の流れが悪くなり、ベトベトして固まりやすくなる状態。
男性で気をつけたいのは、アルコールの取りすぎで精力を消耗させたり、これが原因で”湿”と”熱”が精子の放出を悪くする事もあります。
この場合、肝臓の”湿”と”熱”を取りさる漢方薬として、”竜胆瀉肝湯 りゅうたんしゃかんとう”を用いるケースがあります。
生薬では、シカの角からできる鹿茸(ろくじょう)、オオヤモリが原料の蛤蚧(ごうかい)など動物性薬は、腎の働きを高める”補精、補腎”作用により、精子の数を増やし、活動力を高めることができます。